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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*君の愛のカタチ*



 「好きです」

 告白は私からだった。

 
 君の笑顔と優しさにひかれて

 気が付けば恋してた。


  「オレも」

 そうやって微笑む君と

 ラブラブな毎日を送るんだって

 勝手に

  夢みちゃってたんだけどな。。。


 *君の愛のカタチ*


 「まだ待ってたの?」


 放課後

 君の部活が終わるのを
 
 グラウンドのすみっこで座り込んでた私を

 君はそういって見下ろした。

 
 「だって・・・」

 
 一緒に帰りたかったんだもん。

 そんなことも言えないまんま

 君を見上げた。

 
 「まぁいいや。ほれ、帰っぞ」



 付き合い出して1年

 最初は優しかった君だったけど

 付き合いが続くにつれて

 少しずつ素っ気なくなってきた君。


 さっきの会話だって

 付き合い出した時とは全く違うんだから。



 あの頃は

 部活が終わったらすぐに私のとこにかけてきて


 「遅くなってごめんな。
   すぐ着替えてくるから
  これでも飲んで待ってて」


 そう言って

 君の大好きなカフェオレを

 差し出してくれてたっけ。

 寒い時は

 温かいカフェオレとマフラーまで
 
 巻いてくれちゃってさ。

 まさしく私の夢みてた

 君との幸せなラブラブな毎日だったんだけどな。。。




 「何やってんの?ほれ、乗って」


 「え、あ・・・ごめんごめん」



 自転車通学の君と

 電車通学の私。

 帰りは君の自転車の後ろに乗って

 2つ向こうの駅まで君が送ってくれる。


 「あのさぁ・・・」


 「ん?」


 「お前・・・太ったっしょ?」


 赤信号で止まった時

 君はにんやり笑って振り向いた。


  
 「そっ・・そんなことないもんっっ!!」


 必死に否定する私を横目に



 「いや、太ったね~」


 
 君は笑いながら 自転車をこぎ出した。



  

 こんなやりとりも

 幸せの一つなのかもしんないけど

 でもね、なんか・・・違うんだ。。。



  
 ねぇ・・・?

 私ね、君の口から一度も


 「好き」って言ってもらったこと
  
       ないんだよ・・・?


 いっつもいじわるばっかでさ。


   ねぇ・・・?


 君は私のこと

     どう想ってるの?




  

 「喉かわいたな~」

 
 昼休みの裏庭。

 君は私の隣に横になって

 いつものようにつぶやいた。



 「はいはい。いつものでいいの?」


 「さんきゅ」


 これじゃただの使いっぱしり。




  でもね 

 なんだかこういうツーカーな会話が

 彼氏彼女っぽくって好きなんだ。

 それに

 “さんきゅ”って微笑む君の笑顔が見たいから

 文句も言えずに購買に向かう。




 「おまた・・・せ・・・」


 息を切らしって帰ってくると

 君の隣には私の知らない女のコがいて

 二人して楽しそうに話してた。



 「先輩は彼女とかいるんですか?」


 
 突然聞こえてきた女のコの声。


 君は彼女の肩越しに私を確認して

 にっこり微笑んで答えたの。


   
 「それが今、フリーなんだよね」



 ・・・なんで?



 「ほんとですか?!」


  
 ・・・私は?


 「じゃぁ・・・私、立候補とか
     しちゃってもいいですか?」



 私は・・・

    君の彼女じゃないの・・・?



  涙が溢れて  頬を伝った。


 
    

  “オレも”



 勇気を振り絞って君に想いを告げた日

 君がそういって微笑んでくれた瞬間

 私が想像してたのは

 そこから続く“幸せ”だった。



 なのになんで・・・

 なんでこんなにツライ想いばっか

 しなきゃいけないの・・・?


 嫌なら・・・

 私のこと迷惑なら

 言ってくれればいいのに。。。

 言ってくれたほうが

 数倍マシなのに・・・



 

 持ってた彼のカフェオレは

 気が付けば足元に転がってた。


 大粒の涙を流しながら立ち尽くす私。

 そんな私を君は驚いたように見つめたんだ。




 「なぁ~んてね。
   こんなイイ男、ほっとくわけないじゃんね。
  からかっちゃってごめんね」


 君は彼女にそう言って

 私のもとに駆け寄った。



 「なぁ~に泣いてんの」


 さっき見せた驚きもどっかいちゃってて

 君はにっこり笑って私の顔を覗きこむ。
  

 「君は私のこと・・・嫌いなんだ」


 ぶすっとふくれてそう言うと

 君は笑ったんだ。


 「なんでそうなんの」

 
 少しかがんで 私の顔を覗きこむ。


 「嫌いだから・・・だから意地悪ばっかすんでしょ?
    私のこと迷惑だから・・・だから・・・」


 泣きじゃくる私を君はまた笑って

 そして優しく

 ぎゅっと抱き締めた。


 「オレねぇ・・・君が思ってる以上に
   君にぞっこんなんですよね」


 抱き締めてそんなこと言われると

 何も言い返すことが出来なくて


 「ほら、よく言うじゃん?
   好きな子ほどいじめたくなるって」


 君の腕の中では 

 君のそんな言葉より

 いつもより少し早い

 君の鼓動が聞こえてくる。

  
 「でもごめんな。
  今のはちょっとやりすぎた」

 
 君の顔を見上げると

 今までに見たことない

 困った顔の君がいた。



  なんだかもう

 涙もすっかり吹き飛んで 

 笑えてきちゃったんだ。



 「ガキじゃん」


 そういうと君は

 私の大好きな笑顔で笑ったんだ。



 「君の前だけではね」




  人にはね

    それぞれの愛し方があるじゃん。


  君の愛し方は

      ちょっと遠まわしで

    いぢわるで


   私には  
 
    わかりにくい。



  でもかわいくて


     そんな君にまた


        恋しちゃったんだ。
 








「スキな人ほどいぢめたくなる」
私はきっとこのタイプの人。

優しくするのが苦手・・・ってか
あからさまな態度を取るのがはずかしくて
どうしてもそうなってまう。。。

「スキな人ほどいぢめてしまう」
そんな男の人は結構スキ。

いじめられるのがスキなんじゃなくて
それって「照れ隠し」って感じで・・・
なんかそういうの嬉しくないですか?




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bbs

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